求めることからの卒業
2013/05/30
みなさんこんにちは。師岡絵美里です。
夏の暑さと梅雨っぽい空が混在していますね。
この湿気の多い熱い空気。夏の訪れを感じるのでとても好きです。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
私の最近の日々は、子どものために動くことも多くなり、よりいっそう時間の使い方や一日の過ごし方のデザインが多彩になってきました。子どもの予定と自分の予定とで、物理的に忙しくなる日もありますが、日々穏やかにやっていけるのは、瞑想のおかげ、ヨーガ
のおかげ。恩恵だなあと感じます。
起き抜けに 思索にふける こどもたち
先日、LAVA大森店でヨーガスートラのワークショップをしました。
その回は参加してくださった方の人数も多く、そして参加者のみなさんからの質問や自己洞察の声がとても積極的にあがった回でした。初めて参加してくださる方も多く、いろんな感性が混ざるのが楽しい回でした。
「本質をみてみよう」という働きかけ。
こちらがそこを開いてみると、そこに多くの人が集まる。素敵な世界です。
６月もワークショップを開催しますのでぜひ来てください。
＜2013年6月ワークショップのお知らせ＞
それぞれ詳細はLAVA大森店ページでもご覧ください。
PC：http://www.yoga-lava.com/?action_j03=true&sno=14
携帯：http://www.yoga-lava.com/m/?action_p03=true&sno=14
「サイレントヨガとワンネス瞑想」
言葉での動作誘導は一切せず、 体の動きで誘導します。
ヴィンヤサ、アーサナをまったくの沈黙の中で行なうことで、 自分自身のハートの奥深くとつながることができます。
まず講師である私が「黙り」ますので、あとはみなさんが「自分の中のおしゃべり」を沈黙に導いてください。
するとおのずと、至福の静寂が現れてきます。
【開催日程】
2013年6月8日(土) 9:15～10:45(90分) LAVA大森店
「はじめてのヨーガスートラ教室〜入門編〜」
ヨーガの基本経典である 「パタンジャリのヨーガスートラ」から、ヨーガの思想と概念を学ぶ講座です。
ヨーガの本来の目的を知ることで、より深いヨーガ体験がもたらされるでしょう。
座学だけではなく実践のヨーガを行いながら学びを深めます。
【開催日程】
2013年6月22日(土) 9:10～10:50(100分) LAVA大森店
「スピリチュアル瞑想ヨガ」
瞑想は心のお掃除のようなものです。
また心に休息と栄養を与え、日々をより健やかに生きる助けとなります。
ヨーガのお話、マントラ、ほぐしのヨガなどで瞑想しやすい心と体のコンディションに整えて、最後に30分間の瞑想をとります。
ゆったりと自分と向き合い、自分の存在の純粋性や光を確かめる時間としてください。
【開催日程】
2013年6月29日(土) 9:10～10:40(90分) LAVA大森店
＜コラム：エゴからの離脱＞
最近なんですが、ふと、
今どうして私が、古代の文献（ヨーガの哲学や思想）についてを人に教えているんだろう、
と少し掘り下げて自分をみてみました。
そしたら意識の片隅でこんな声がしました。
「変化の時代だからね」
と。
そっか。
世の中がものすごいスピードで変わって行く時代だから、自分の中に軸を持っていないと、簡単にこの変革の風にあおられて吹っ飛ばされてしまうんだなあと。
変化の時代だからこそ逆に、
「普遍なるもの・動かない物」
を研究しているヨーガの古代の考え方が、現代人にとっては必要で、
また理解しやすい時代に入ったのかもしれない、とも思いました。
特に今年に入ってから私は、そのようなヨーガの本来の意図を伝えることに多くの時間を使っています。
現代風にアレンジされたヨーガではなく（もちろんそれも大好きですが）、
現在の私は、すべてのヨーガの土台となっている「プリミティブなヨーガ」を伝えることに奉仕している
という感じが強く、またそこに大きな喜びを感じています。
教えて嬉しいことはたくさんありますが、ヨーガを教えるインストラクターさんや、またヨーガのレッスンに来るみなさんが、
「そんなに欲しがらなくていい」
という教えを知ることで、生き方に深いリラックスがもたらされ、安心を覚えるんですね。
その気づきに対面するみなさんの心の広がりをみるのが、私にとってはとてもとても幸せかつ安堵なんです。
ヨーガの本質を、実生活で身を以って知ると、
”もっともっと欲しがって、もっともっと手に入れて”
”もっともっと具現化して、もっともっと叶って”
というタイプの「自己現実」という名を借りた ”エゴ強化活動” を、
しなくてもよくなるんですね。
たくさんの望み（自我が生み出す欲求）を、どんどん叶えるような人生が「よし」とされるいわば「自我の肥大」をもう手放していいし、
「叶える」ことをがんばらなくてよいのです。
本当は、
今ここにいさえすれば至福なんだという真理に安心するんですよね。
それはだいたい、ヨーガの教えの元に集まってくださった方々が、
ひとりでにふと、
「ああそうか」
と気づくんです。
ヨーガの本質って、
人をごく自然なタイミングで、
まるで朝起きたかのような日常的なニュアンスで、
とてつもなく深い洞察がもたらしてくれるものです。
「ああそうか・・・こんなにも求めて叶えてまた渇く、ということを、自分はもう繰り返さなくていいんだ。」
その気づきを、ヨーガ哲学を通じてシェアできた時、本当に本当に私は嬉しいです。
無上の輝きを感じます。
ああよかった、またひとり「求める続ける」人生から離脱できる光が見えた・・・、という感じなんです。
「望み」が悪いものではないんですよね。
でも、「なにが（誰が）」をれを望んでいるのかを知る事ですね。
自分の中の「なんでも欲しがるエゴ」がそれを求めているのか、それとも、
「奉仕と博愛の精神」が自然発生的に現れた時の、光としての望みなのか。
あなたには、自己の中のそれらを見極める力がありますか？
きっとあります。
あるからこそ、いろんな事にトライしてみても、まだ満足しないのです。
本質に気づきたい。
その渇きを癒すのは、
何かをするのをやめて、心を静めた時に訪れます。
行為のその奥に、行為の背景に、真理は横たわっています。
世界は動いています。
この世界の物理的な側面は、エゴを原動力にして動く巨大な装置のようにも見える時があります。
その装置は実にうまくできていて、ぼんやりしていると、わずかの瞬間に私たちのエゴの心に針を引っ掛けて、心を全体をからめ取っていきます。そうなったらもう、巨大装置の歯車のひとつとして、自分の中のエゴを発動させ続けるんでしょうね。
でも、気づきが私たちを真実の道に戻します。
真実を観る目を養い、真理を生きる努力を貫けば、
遠くからその巨大な装置を観察していられます。
そのポジションを獲得するには、やはりこの世界に背景に横たわる、真の理を学び続けることだと思います。ヨーガの聖典にあるように。
“もしもあなたの心は清澄を失うことがあるのなら、
いつだって聖典に戻りなさい。”
と。
エゴに揺さぶられない心を養うこと。
そしてそれらの自己努力を苦痛と感じない、むしろ快と感じられる余裕な心を養うこと。
そういった側面で、私たちはもっと、強くなれます。
そう思います。
それは柔らかさであり優しさだから。
私たちが、まず、そしてずっとやり続けた方が良い事は、
求めれば求めるほど、心は渇くいっぽう・・・
どんなに手に入れたって、渇きは癒えない・・・
その事実をいちはやく受け入れて、行為を変えること。
エゴ＝欲から身を引いて、ここにいることに満ち足り、
シンプルに生きること
あれもこれもと求めないでいられる心の清澄を養う事
だと思います。
そういった自発的な努力と同時に、真理に委ねる柔軟性を養い、
自己の内外の矛盾をできるだけクリアにすると、
きっともっと個人の生活は調和します。
それが豊かさだと感じます。
いつでも「自分」から変えればいい。だからこそ安心していられます。
自分が「シンプル」に帰還すれば、それだけでいいんだ、と。
そんなわけで、シンプルに生きてみよう。
曇りなく目で、世界を観ていよう。
人に優しくしよう
他の幸福に奉仕しよう
自分を許そう （そうすると、許せなかった他者が許せるから）
瞑想しよう
という感じです。
また次回お会いしましょう。
ナマステ
師岡絵美里