皆さん、こんにちは。「羅さんの未病予防ってなぁに?」東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
東洋医学の考え方をもとに、未病予防や体質改善について皆さんにさまざまな事例を交えてご紹介していきますね。
~冬病夏治(とうびょうかち)~
漢方では、「冬病夏治」という言い伝えがあります。
文字通り、冬の病気は夏に治すべしという意味です。
つまり、夏はカラダの中の寒邪を駆除するいいタイミングであるということです。
一年の中で、夏は自然界の陽が一番強い季節です。
なので、自然界の一部である人のカラダに潜む寒邪を駆除するには、陽の力を借りやすい夏が、一番の時期となります。
この陰陽図を用いて、お話しさせていただきますね。
一年の中で、自然界で起こる陰陽の変化は、太陽エネルギーの変化を指します。
陽とは、太陽エネルギーが段々大きくなっていくプロセスで、陰とは、太陽エネルギーが段々小さくなっていくプロセスとなります。
冬至(12月22日頃)の時が太陽エネルギーは一番弱く、そこから夏至(6月21日頃)にかけて、太陽エネルギーは段々強くなっていきます。またその後、冬至にかけて、太陽エネルギーは段々弱くなっていきます。
これが、陽の変化。
一方、夏至から冬至にかけて、太陽エネルギーが段々地球の中に蓄積されて行き、そして冬至から夏至にかけて、地球の中に蓄積されていた太陽エネルギーが段々放出されていきます。
このため、夏至の頃が、地球の中にある太陽エネルギーの一番少ない時期でもあります。
これが、陰の変化。
つまり、陰は陽(太陽エネルギー)を地球の中に蓄積(収納)していくプロセスと考えられます。
~寒気を追い出す良いタイミング~
夏至の頃、地面では、30~40度の高温となっているにも関わらず、地下に潜ると、段々寒くなっていきます。
逆に冬至の頃、地上では、-30度の極寒となっていることに対して、地下に潜ると、段々暖かくなっています。
日本気象協会の資料によると、地下5mでは、夏の方が涼しく、冬の方が暖かいという『夏冬の逆転現象』が起こっていることが分かります。
なぜ、このような現象が起こるかというと、太陽が地表を暖め、地中に熱エネルギーがたくさん蓄積されたからです。
近年、この地球熱原理は、エコ住宅によく活用されています。
そして、冬至から地球に蓄積された熱エネルギーが徐々に地表に表出されるため、春になると植物が蘇られ、花が咲いたり、芽生えたりします。
つまり、春夏の時期は地球に蓄積されている熱エネルギーが放出されている季節であり、太陽エネルギーが段々強くなっていく時期でもあります。
この二つの熱エネルギーのお陰で、地上の寒気が一気に吹き飛ばされます。
こういった自然界の陰陽の変化に合わせて夏にカラダの中を温めると、体内に溜まっている寒気が一気にカラダの外に追いやられます。
ですから、春夏の自然界の陽気が段々強くなっていく季節に、乾姜などの生薬を使ってカラダの中を温めれば、長年かけてカラダに溜まった寒邪を徹底的にカラダから駆除することが可能となります。
~生姜を食べるタイミング~
一年の中の陰陽の変化と同様に一日のスパンで考えると、お昼12時頃が太陽のエネルギーが一番強く、それから夜中にかけて太陽のエネルギーは段々弱くなっていきます。
そしてまた、夜中からお昼にかけて、太陽エネルギーは段々強くなっていきます。
朝からお昼にかけて、太陽のエネルギーが段々強くなっていくにつれ、人体の陽気も段々強くなっていきます。
この時に、カラダを温める生薬を使うと、体内の寒邪をもっとも追い払いやすくなります。
ですから、冷え体質の根本的な改善を目指したいなら、一年の春夏または一日の午前中に、生姜を入れた紅茶や料理を積極的に摂るべきです。
逆に、秋冬または夕方から夜には自然界の陽気が段々小さくなり、カラダの陽気が体内に収納していく時にカラダの陽を発散させる生薬を使うと、カラダの中に陽気を蓄積していくプロセスが破壊され、陽がだんだん弱くなるという結末を招いてしまいます。
次回は、「生姜パワーで未病予防!症状ごとに見る、さまざまな活用法をご紹介。」についてお話しします。
お楽しみに♪
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