さまざまな名前を持ち、日本でも有名な最高神シヴァ
シヴァ神とはブラフマー神・ヴィシュヌ神とならんでトリムールティ(三神一体)と言われる、インドの三大神様のお一人で、2つの側面を持っている神様です。
よくその側面として表現されるのは『創造と破壊の神様』。
もしくは、明るい面と暗い面があると言ったらいいでしょうか。その側面にそれぞれ違った意味と名前があります。
明るい面では『シャンカラ=吉祥』と言われ縁起が良く、慈悲深く、恵を与えてくれる、困っているときに助けてくれる強い存在としての顔があります。
暗い面では破壊を示す『バイラヴァ=恐ろしいもの』と言われ、怒った形相をしています。口は大きく開らかれ、眉毛がつりあがり、ドクロなどの飾り物をつけています。
さらにもう1つ、『マハーカーラ=マハーは偉大な、カーラは時間』を意味する運命や死を支配する時間を操るものとしての、お名前も持っています。姿は黒い肌で描かれ、マハーカーラは日本でも有名な「大黒天」として七福神の一人でもあります。
※ずいぶんと、本場インドのシヴァ神とは印象が違いますね!
そして他にも、舞踏の神様としての『ナタラージャ』という名前もあります。アーサナ(ヨガポーズ)、ダンサーポーズ(ナタラージャーサナ)が由来ですね♪
生命エネルギーに満ちた、強くてたくましい存在
シヴァ神の本質は力であり、生命エネルギーであると言われています。シヴァ神のシンボルとして『シヴァ・リンガ』という男性根を表す像が寺院に祀られています。リンガとは恵み、豊穣、健康を象徴し、お祈りされています。
リンガはシヴァのエネルギーを示し、リンガが祀られているところにはシャクティエネルギー(女神のエネルギー)にまつわるものが共に祀られて崇められています。
このシャクティエネルギーとして示すのがパールヴァティー妃(シヴァ神の妻)で、シヴァ神と半身で融合された絵や像として描かれ、お祈りを捧げられています。
リンガにまつわるお話を紹介したいと思います!
ある日ヴィシュヌ神がウトウトまどろんでいるところへ、ブラフマー神がやってきました。
ブラフマー神:
「世界を創った主であり、宇宙の仕組みを築いた我こそが最高神である。私の前で堂々と寝ているとはけしからんな」。
ヴィシュヌ神:
「宇宙や神々のいるところ、地上をたった3歩で跨ぎ渡り世界の始まりから終わりをつなぎ維持をさせているわたくしが最高神です」。
どちらが最高の神かと争いになったところ、火柱が目の前に立ちはだかりました‥!(その火柱が、リンガ)
ブラフマー神とヴィシュヌ神:
「これは何であろうか?正体を解き明かした方が最高神となろう。いざ勝負!」
と、ブラフマー神は白鳥(ハンサ)に乗って上へ登りヴィシュヌ神はイノシシに乗って下へと進みました。
しかし、行けどいけども終わりが見えず、始まりも見えず。
ブラフマー神とヴィシュヌ神:
「……疲れてきたな。一旦戻ろう。」
それぞれが、出発点である上でも下でもない中間地点へ戻りました。しかし正体がわからずにいました。
そこへシヴァ神がご降臨されます…!
シヴァ神:
「始まりも終わりも、どちらも我のものである。我の名はシヴァである!」
ブラフマー神、ヴィシュヌ神共に恐れおののき、「シヴァ神こそがこの世の最高の神様であった。」とつぶやき、争いは終着されたそうな。
力を出したいときに、シヴァ神の力を借りるムドラ
ここで『シヴァ・リンガ』を表す手のジェスチャー、ムドラを紹介します。ムドラとは「印(しるし)」を意味し、ムドラは手や顔、カラダを用いたジェスチャーです。エネルギーの流れを良くし、チャクラを刺激する効果があるとも言われています。
例えば、「いただきます」「ナマステ」など手を合わせるジェスチャーもムドラなのです。
ムドラ、心やカラダに癒しをもたらし、乱れを整える効果があります。効用の一つとして、アーサナ(ヨガポーズ)や瞑想の効果を助けてくれます。
『シヴァ・リンガ』
手順:
- 左手のひらを上向きにする
- 右手は親指を立て、それ以外の指を曲げたこぶしをつくる
- 左手の中央に右手をそっと乗せる
- みぞおちのあたりに来るようにして、肘を軽く曲げて落ち着くところへ
背中を伸ばして目を閉じて黙想。
効果:
自信をつけたいとき、力を出したいとき、消化機能が弱っているときに
※高血圧気味の方は控えてください。
自分がシヴァ神の神殿になったかのように、黙想してみましょう。活力が湧いてくるのを実感できるはず!
いかがでしたか?知れば知るほど知りたくなる【連載】インドの神様シリーズ。
次回は、美男子から一転。象の神様「ガネーシャ」を届けします。
どうぞお楽しみに!
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