日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす

皆さん、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。

私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。

季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。

これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。

 穀雨(こくう):4月20日頃~5月5日頃
  • 季節
  • 怒り
  • カラダ肝・胆

~茶文化における穀雨~

緑茶を愛飲される方はご存知かもしれませんが、春先に収穫するお茶は、とても貴重です。

春先から気温が高くなるにつれ、お茶の風味は落ちていくので、中国の緑茶文化には、「早ければ宝、遅ければ草」という説すらあります。

春に採るお茶は、中国では明前茶と雨前茶に分けられます。

■明前茶とは
清明の前に採ったお茶で、1つの芽に葉が一つで、茶葉が若く、数が少ないため、とても珍しいものとされています。明前茶は味が甘く、渋みがないため、鼻と喉から抜ける爽やかな甘味と香りは堪りません。もちろんとても高価です。

■雨前茶とは
清明の後、穀雨の前に採ったお茶で、1つの芽に葉が二つのものが多く、明前茶より渋みが増し、味わいがしっかりしていて、値段も手ごろです。

そして、気温が25度を超えてしまうと、芽が急速に伸びてしまうので、高級品にはならないといわれています。

~気候の特徴~

清明から15日、 太陽黄道が30度の時に、春最後の節気、穀雨が始まります。

春分・清明・穀雨・立夏の4つの節気は、一年の六気(風・熱・暑・湿・燥・寒)の内、二之気の「熱」に当たります。

気温が上がり、海水の水蒸気になる量が増えるため、穀雨以降、降雨量が段々と多くなります。春雨が穀物を潤す季節で、種まきの繁忙期を迎えます。

2025年の干支は乙巳で、二之気を司る主気は「少陰君火」で、客気は「太陽寒水」です。 冬を支配する寒気「太陽寒水」の影響で、45月の気温は、例年より低く、寒暖さの激しい天気が繰り返すと考えられます。

東洋医学の経典「黄帝内経 素問」の第七十一篇 六元正紀大論によると、乙巳年の二之気の気候特徴と病気傾向について、このように記述しています。

「二之气,寒不去,华雪水冰,杀气施化,霜乃降,名草上焦,寒雨数至。
阳复化,民病热于中。」

訳すと、この時期、冬の寒気の影響で、寒い雨の日がたびたび訪れます。外気が寒いため、カラダの中に熱がこもりやすくなります。

~養生の注意点~

黄帝内経の六元正紀大論によると、気温が乱高下のため、寒い雨がよく降り、また寒暖差による発熱の病気が流行る可能性があります。

外出の際に、防寒のため、薄着を控えるようお勧めします。そして、カラダを冷やす飲食も避けるようおススメします。

また寒の気が強くなると、寒暖差で風邪がひきやすくなる一方、水剋火という五行の生剋関係によって、火のシステムに属する心脳血管も病みやすくなります。

こういった二之気の寒の気によるカラダへの影響を抑えるためには、以下の二つの経穴を普段からケアしてあげるとよいでしょう。

■経穴その1.少府(しょうふ)

少府は、手少陰心経の2番目の経穴で、小指と薬指の掌骨の間にあります。
拳を握った時に、小指の先が当たるところが、このツボです。

手少陰心経の五行の属性は火で、少府の五行の属性も火であるため、心経の本穴という役割を担っています。火の気を調節するのに、とても重要なツボです。

■経穴その2.労宮(ろうきゅう)

労宮は、手厥陰心包経の2番目の経穴で、手の掌の真ん中にあります。
拳を握った時に、中指と薬指の指先の間にあるのが、このツボです。

手厥陰心包経の五行の属性は火で、労宮の五行の属性も火であるため、心包経の本穴という役割を担っています。五行の属性は火ですから、火の気を調節するとき、特に心臓病の予防と治療のときによく使われています。

皆さんの未病予防と健康増進に役立てば幸いです。

次回は、二十四節気のひとつ、立夏(りっか)についてお話いたします。

どうぞお楽しみに♪

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