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この連載「ヨガと人と。」では、ヨガ講師・ヨガインストラクターである私、山下真由実がヨガと出会ったこと、また旅先やヨガを通して出会った人、ヨガ哲学の教えから学んだことなど、経験したことを皆さんにお話ししていきます。

前回のお話しは『【連載】「ヨガと人と。」 ~いざ、バハマへ。そこは天国、それとも?~』でした。
今回は『いよいよヨガ講師デビュー!忘れられないあの日』をお話しします。

ヨガの資格「RYT200取得」!すぐ教えるということ

ヨガを教えるうえで必要になってくるヨガの資格RYT200を取得後、シヴァナンダアシュラムのカルマヨギー(カルマヨガの実践者、つまり衣食住は保証されますが無償で働くスタッフ。)としてアシュラムで働くことにしました。

RYT200を取得する期間は4人部屋に滞在していましたが、スタッフはテントに住むことになるため、帰国する友人から雨漏りのするテントをもらい受けました。

アシュラムに滞在するスタッフの仕事は、ヨガを教えるヨガティーチャーだけではなく、アシュラム運営全般ですので、スタッフはなんでもやります。私がアシュラムで担当するメインの仕事は厨房スタッフ、つまり「ごはん係」でした。

昨日までは生徒、今日からは先生へ

さてここでスタッフになって、初めての朝ミーティングのお話をしましょう。
ミーティングではその日のスケジュールが伝えられます。新しく来る生徒さんの情報やワークショップを行う先生方の到着時間などがシェアされるのです。

また、その日のレッスン担当がその時に決められます。ミーティングを仕切っているスワミジ(アシュラムで生徒たちに教える師となる人)がにっこり笑って私にこう言いました。

「君はアトランティスに泊まっている宿泊客へ、ヨガを教えてきなさい。」

サーっと血の気が引きました。RYT200資格時間を取得してまだ間もない、資格取り立てほやほや!しかも追試でギリギリ合格した私が、いきなりあの超高級ホテル「アトランティス」に宿泊しているお客様にヨガを提供することになるとは思ってもいませんでした。

ひきつる顔でスワミジに「いえ、でも初めて教えることになるのでもう少し練習してからの方が…」と言うと、カラカラと笑ってスワミジは言ったのです。

「じゃあ、いつから教えると思っているの?始めなければ教えられるようにはならないよ。大丈夫。やってみなさい」と。さんさんと降り注ぐ太陽の下、目の前が真っ暗になりました。(笑)

ミーティング後、船に乗り、アトランティスへ向かうことになりました。インストラクションを練習する時間なんてありません。

日々の自分のプラクティスが、何の自信もない私の拠り所となる全てでした。

船に乗っている間はとにかく怖かったことを覚えています。「うまく教えられなかったらどうしよう」と、自分のことばかり考えていました。

今思えば、その時できることに最善を尽くすだけでよかったし、それしかできないのですが、あの時は自分自身に最大限のプレッシャーと恐怖を与えていたと思います。

ヨガ講師としての私の原点。いよいよヨガティーチャーデビュー!

アトランティスホテルはヨガをする場所として、海と空を見渡せる美しい一角を用意していました。そこに着くと「時間になったらまた迎えに来るから。」と船は私を置いて去っていきました。

小さくなっていく船を見て、こんなに心細く思ったことはありません。

しかし何とか自分を奮い立たせて待っていると大柄な白人女性が一人、ゆっくりとやってきました。

ぎこちない笑顔を作り、挨拶をして、開始の時間まで他の人を待つことにしました…が、時間になってもその人と私の二人きり。私のデビューは、マンツーマンだったのでした。

必死に、一生懸命に学んだことをお伝えしました。時間が経つにつれ、なんだが女性の顔が険しくなってきたようでした。思い過ごしであればよかったのですがそんなこともなく、(笑)その表情に心が折れそうでしたが、臨機応変に対応することもできませんでした。

その時、ヨガの資格RYT200で学んだ時間だけでは、まったく勉強が足りないと痛感したのです。レッスン終了後、その方は「Thank you.」と言ってくれたのですが、そそくさと帰っていきました。

せっかく来ていただいたのに申し訳ない反面、何とかやり切った安堵の気持ちもどっと押し寄せてきました。心身ともにヘロヘロになりながら、「人の役に立つヨガティーチャーになりたい」と強く思いました。

ここからがヨガティーチャーとしてのスタートラインであると、自覚した瞬間でもありました。

いつ始めるのか?「自信」はやった人にしかついてこない

私は、現在ヨガ講師を務めているヨガスクールFIRSTSHIPの生徒さんから、「まだ教える自信がありません。だから教える自信がついてからレッスンをしようと思います」と聞くことがあります。

その気持ち、とてもよく分かります。私もそう思っていましたから。

でもね、順番が逆なんですよ。「自信」と呼べるものがついてくるとしたら、それは実際に教えてずいぶん経ってからなんです。

教えていないのに教える自信がつくことはありません。その経験を積んでいませんから。やってもいないことに自信を持てる方が危ういと、私は思います。

だから、やってみるしかないんです。

自分の心とカラダを大切に感じながら、淡々とヨガの練習を日々重ねていくこと。そしてヨガティーチャーであれば精いっぱい、心を込めて伝えていく時間を丁寧に、続けていくだけです。

すると、たくさんの実体験から「こうすればよい」という道筋が見えてくることがあります。その積み重ねが、ようやく「自信」と呼べるものになっていくのではないでしょうか。

【インタビュー】ヨガはちょっとした不調を整える「セルフメンテナンス術」。山下真由実さん

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