今でも大人気!英雄&美男子のクリシュナ
インドの神様のなかでも、もっともポピュラーな神様でもあるクリシュナは、『バガヴァッドギーター』という聖典の主人公の戦士アルジュナのよき相談役として、登場します。
クリシュナ神は、ヴィシュヌ神のアヴァターラ(化身)であり、またシヴァ神と共に民衆から深く愛されている神様の一人です。
シヴァ神は、パールヴァティー妃と息子のガネーシャ神と共にファミリーとして描かれることが多くありますが、ヴィシュヌ神はクリシュナ神の赤ちゃん時代の姿を描くことで、ファミリーエッセンスを取り入れているようです。
赤ちゃんのクリシュナ神がギーを舐めている姿は、「ベイビークリシュナ」と言って大変人気があります。
インドでは神様はキーホルダーやステッカーなどのキャラクターとして使われて、とても身近なところに神様がいるなぁと感じます。
そんなクリシュナの青年時代はモテモテだったそう!
美しさとユーモアで、女性たちを魅了する
と〜っても美男子で、勇敢。牛飼いの娘たちから羨望の眼差しを得ていました。しばしうっとりとした眼差しでクリシュナを見つめる女性と共に描かれることがあります。
こんなエピソードがありますので紹介します。
川で水浴びをする女の子たちの衣服をクリシュナが隠してしまいます。
「お返しください〜」「こんな姿を見られては恥ずかしい!」という状況を、絵画として描かれており人気がある作品だそうです。
女の子たちを困らせているシーンではありますが、なんだか楽しそう‥。微笑んでしまいます。
この絵には教訓があり、神様への献身を表しているのです。
ヴィシュヌ信仰は知識や身分に関係なく、神様を信じて、献身的なおこないをすることで誰しもが幸福になれると言われています。
この絵のお話しでは、神様とはクリシュナを指し、クリシュナは麗しく、恋の対象で、モテモテ…という構図。
まるで恋のように盲目的な献身を表しているのですね。
恋をした時に、ウットリとした気持ち、優しい気持ち、心が熱くなる感じ。
全てのモノや人、出来事を、まるで恋をしているかのように見たり聞いたり触ったら、もしかすると扱い方も変わるかもしれない?!
毎日の当たり前の出来事も、見えてくる景色が変わってきます。
全てがイキイキし、愛おしくなるはず。
クリシュナに好かれたい気持ちの根底には、まず神様は自分を愛してくれている、という考えのもとから。
ダメダメだったなぁ〜と思うことも、神様は完ぺきにいかない私たちのことはとっくに知っていて、応援してくれているのだそうです。
次は大丈夫、できるよ!と。
神様に愛される私でいようとすると、次は「うまく行く!」と前向きな行動や言動へと変化しそうですね。
そんな時、自分自身をも愛せる私に変わっていることにも気づきます。
クリシュナとのロマンチックな時は日常生活そのもので、誰しもが毎日を恋するように過ごせるはずなのです。
<クリシュナのキールタン>
キールタンとは…繰り返しのフレーズにメロディーがつく賛歌で、カジュアルに口ずさめます。悲しみや苦しみから解放させ、至福や喜びを得るために唱えられます。
気分を高めたい時に、まるで恋をするかのような心に灯が宿る、晴れやかな感覚が体験できますよ♪
Hare Krsna hare Krsna Krsna Krsna hare hare
hare rama hare rama rama rama hare hare
ハレクリシュナ ハレクリシュナ クリシュナクリシュナ ハレハレ
ハリラーマ ハリラーマ ラーマラーマ ハレハレ
「Hare(ハリ)」はクリシュナの別名。
「Rama(ラーマ)」とはラーマーヤナ物語に登場する主人公ラーマ王子のこと。
いずれもヴィシュヌ神のアヴァターラ(化身)なのです。
また、最初にご紹介した叙事詩『バガヴァッドギーター』の聖典は、世界で最も読まれている本と言われ、日本語でも訳されいます。
歴史的背景や文化も違い、日本語で読んでも解釈が難しいと思う書物ですが、インドの神様の世界をぐっと深めたい方はぜひ手に取って読んでみてくださいね。
いかがでしたか?知れば知るほど知りたくなる【連載】インドの神様シリーズ。
次回は、壊しては創る、最高の神様「シヴァ」を届けします。
どうぞお楽しみに!
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