ヨガはもともと瞑想することだった
ヨガの経典を読み解くと、ヨガはもともと「瞑想すること」だったといわれています。
当時の人たちも、心を安定させるために安楽座をして瞑想を試みるも、集中できない、またカラダに痛みを伴い瞑想していられないという人が多くいました。そこで瞑想しやすいカラダを作るために、ヨガのポーズが生まれたというわけです。
「ポーズ・ヨガの呼吸法・瞑想」というヨガの3本柱の中でも、「瞑想」はヨガの真髄です。
ポーズを取るスペースや場所がなくても、いつでもどこでも心を安定させることができる「瞑想」を習得することは、安定したポーズを取る近道にもつながります。
瞑想をするときに大切にしたい、3つのポイント
瞑想はいつでもどこでも簡単にすることができますが、さらに3つのポイントを押さえておくと短時間でも効果を得やすく、集中も深まります。また、安定して快適な環境を作ることも心がけましょう。
【1】姿勢
背筋を長く伸ばして行います。座って瞑想ができる人は、安楽座が一般的です。骨盤を立て、背筋を伸ばします。
背中が丸まっていると呼吸も浅くなるので、背筋を伸ばし肩の力は抜いて安定感を味わいながら座りましょう。立っている場合は、山のポーズのように背筋を伸ばしましょう。
【2】呼吸
ゆったりと落ち着いたペースで行います。またヨガや瞑想の呼吸は、鼻から吸って鼻から吐く、鼻呼吸が基本となります。
普段の呼吸が「吸う+吐く」であれば、意識的にゆっくり行う呼吸は「吸う(間)+吐く(間)」とひと呼吸入れるか、4秒間ゆっくり吸って、吸いきったら6秒ほどかけてゆっくり吐くを目安に行います。
余裕がある人は目を閉じて行いましょう。座った状態でも立った状態でも同じです。
【3】環境
瞑想の習慣化を心がける場合は、ある程度場所を決めて行うのもよいでしょう。日の当たる窓際や、ベッドの上など、自分が心地よいと感じる場所がおススメです。散らかった場所や、ざわざわした場所よりも、きれいに整った場所や、静かになれる場所を選ぶようにしてください。
通勤途中の電車で行う場合は、お気に入りの音楽や、呼吸に意識を向けるようにしましょう。オフィスではお手洗いや休憩スペース、自席でもゆっくりできるような時間・場所がいいですね。
どこでも簡単にできる、3つの基本の瞑想をご紹介
ヨガの瞑想は、定めた対象に「意識を向ける」のが基本です。いつでもどこでも誰でも簡単にできる、基本の瞑想を3つ、ご紹介します。
■呼吸瞑想
自分の呼吸に意識を向けて行う瞑想法です。呼吸瞑想では、「吸う」「吐く」の呼吸をいつもより丁寧に行い、その感覚を丁寧に見届けていきます。あぐらの姿勢で骨盤と背筋を伸ばして座ります。
静かな場所はもちろん、電車の中やオフィスなど、自分がリラックスしたいと思う環境で行えます。立ったままでも座ったままでも行え、どこでも簡単に今ここに意識を向けられる、気持ちを切り替えられる瞑想法です。
【呼吸瞑想のやり方】
呼吸の流れ:吸う+吐く
目安としては4~6秒間かけてゆっくり息を吸い、8~16秒間かけてゆっくり吐きます。考え事が出てきたら、呼吸に意識を向けます。余裕があれば目を閉じて、1~5分程度、呼吸を見届けます。
考えごとが浮かんできたら、改めて呼吸に意識を戻すようにしましょう。
■チャクラ瞑想
人体に存在すると言われるエネルギーセンターをチャクラと呼び、瞑想をしながら主要な7つのチャクラを活性化させる瞑想法です。
チャクラ瞑想をする際には、あぐらの姿勢で背筋をすっと伸ばし、優しく目を閉じてから、各チャクラの位置を意識した状態で瞑想を行います。第1チャクラから第7チャクラにはそれぞれ色や役割、チャクラと共鳴するマントラなどがあるので、色やチャクラの形、マントラなどを活用することで、さらにチャクラを活性化させることもできます。
(瞑想温泉:【連載】チャクラを知ろう(1) 瞑想上達にもつながる!はじめてのチャクラでも、チャクラについてさらに詳しく説明しています)
■イメージ瞑想
自分の好きなこと、人、物などを思い浮かべながら行う瞑想法です。イメージする対象は「自分が好き」と感じるものであれば、人でも、物でも、食べ物や景色、情景なんでも構いません。
好きなものを思い浮かべることで気持ちが温かくなり、そこに意識を集中させることで、瞑想と同じ効果を得られると言われています。頭の中でイメージするのが難しい人は、その対象を実際に目の前に置いて見続ける方法でも可能です。
【イメージ瞑想のやり方】
呼吸の流れ:吸う+吐く
花や景色、好きな人など、自分が「好きだな」と感じるものを思い浮かべながら、ゆっくり呼吸をします。口角を上げて行うとさらによいでしょう。好きな時間だけ行えますが、予めタイマーをセットしておくなどして時間を区切って瞑想するのもよいでしょう。
瞑想中に考え事が出てきたり、眠気に襲われたり、また長時間座っていることで股関節や腰、肩などに痛みが出てきたら、以下の方法で対処をしましょう。
【考え事】
・呼吸に意識を向ける
【眠気】
・背筋を伸ばし、深呼吸
・瞑想を切り上げて、睡眠をとる(無理に続けない)
【カラダの痛み】
・呼吸に意識を向ける
・痛い場所をそっと動かす
・瞑想(安楽座)をする前にヨガでカラダをほぐす
ヨガのレッスン中はポーズを取りながら呼吸に意識を向ける。同じように瞑想中も呼吸に意識を向けることで、今この瞬間に集中することができ、気持ちもスッキリしやすくなります。
また瞑想を取り入れることに慣れてくると、呼吸はもちろん、感情のコントロールができ、感情の波に振り回されなくなります。
ぜひ1日1分からでもよいので瞑想を続けてみてくださいね。
※その他の瞑想法については瞑想法一覧でもご紹介しております。
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