
日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす
皆さん、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。
季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。
これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。
夏至(げし):6月20日頃~7月5日頃
- 季節夏
- 心喜び
- カラダ心・小腸
~北回帰線は移動中?~
節気はすでに夏至。
夏至の日照時間は一年の中で一番長く、この日を境に、毎日約2分、だんだんと日が短くなっていきます。
夏至のときの太陽は、一年で最も北側の東から昇り、正午には南中高度が一年で一番高いところを通り、そして一年で最も北側の西に沈みます。
この日の出の位置は、夏至から毎日少しずつ東南の方に移り変わります。
夏至の太陽は、北回帰線を真上から照らし、その位置は、翌日から南に移動し始めます。
この北回帰線の位置は、地球の軌道の変化に伴って、毎年北緯24度~22度の間に微妙に変動することが、長い歴史の中でわかっています。
世界で一番古い北回帰線の標識は、1908年台湾の嘉義に設立されたものだそうです。
今の北回帰線は北緯23度26分の近辺に位置していますが、毎年南に約14メートル移動するため、100年経った現在、台湾にあるこの標識は、すでに実際の回帰線より、北1キロ以上離れています。
中国の古諺によると、「夏至に雷だと、六月(旧暦)は干ばつ。 夏至に雨だと、夏は暑い」という。
さあ、今年はどうでしょうか。
~夏の気に対応する臓腑~
二十四節気の中、日照時間を代表するのは、夏至、冬至、春分、秋分の四つの節気です。
春夏秋冬の四季(四時)を代表するのは、立春、立夏、立春、立冬です。
この八つの節気は、二十四節気の代表格ともいえます。
夏の時、日照時間が長く、太陽エネルギーが強くなるため、地球上の水を水蒸気に変え、湿気や雨が多くなります。 古代では、この夏の気の特徴を漢字の一文字「熱」で表します。
東洋医学にある「天人相応説」(自然界のしくみを作っている要素と、人体のしくみを作っている要素は基本的に同じ)によると、夏の気「熱」に対応するカラダの臓腑は心と小腸です。
心臓は24時間鼓動するため、車のエンジンと同じように大量の熱を作ります。
心臓で作られた熱は、横隔膜の上下運動により、経絡を通じ、絶えず腹部の小腸をはじめとする臓器に送られ、腹部の臓器がこの熱を使って様々な生理活動を行います。
たとえば、胃と小腸はこの熱を使って消化機能を担います。ご飯を作るときに加熱することが必要不可欠である事は、誰もが知っている節理ですが、同じように、我々が日常で食べたものが、カラダの中で分解消化吸収される一連の活動にも大量の熱を必要とします。
小腸にある消化活動によって摂取した水分は、心臓の熱によって水蒸気になり、全身に巡らせます。 地球上の水の循環の原動力は太陽の熱と同じように、カラダの水分の循環の一番の原動力は、心臓から小腸に送られる熱です。
そして、この熱の伝達に重要な役割を担っているのは、呼吸時の横隔膜の上下運動です。
~ 浅い呼吸とむくみ ~
なので、横隔膜の上下の動きが悪くなると、心臓の熱を腹部に十分送ることができず、熱が上半身に籠ってしまいます。いわゆる「上熱下寒」という東洋医学でよく言われる生理現象が起きます。
そうすると、上半身に熱が多くなりすぎるため、すぐかっかっするのに、下半身は熱が足りず、冷えやすくなるのです。
お腹が冷えると、水を加熱して水蒸気に変えることができず、液体状の水が増え、むくみが生じます。
むくみやすい人の共通点は、呼吸が浅いことです。
呼吸が浅く、横隔膜の上下の動きが小さい人は、熱が強くなるこの季節に入ると、ホットフラッシュ、いらいら、不眠、下痢や便秘、などなど、心臓と小腸の不調が起きやすくなります。
いかがでしょうか。
情報が盛りたくさんかもしれませんが、皆様に伝えたい内容の極一部に過ぎません。
消化不良に陥らないよう、割愛して今日はここまでとさせていただきます。
皆様の未病予防と健康増進に役立てば幸いです。
次回は、二十四節気のひとつ、小暑(しょうしょ)についてお話いたします。
どうぞお楽しみに♪
■東洋医学普及活動家・
羅予澤が技術監督■
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