ヨガといえばまずはポーズというイメージが先行されがちですが、ヨガの本質は、「私たちが毎日をより幸せに生きるための方法を伝えている」という点にあります。
今回はこの、ヨガの根本となる「ヨガ哲学」について、解説します。
カラダを動かすだけがヨガじゃない!ヨガの目的は「幸せ」になること
多くの人が、ヨガとは単にカラダを動かすものだと思っているのではないでしょうか。
「ヨガ」という言葉は、インド発祥のサンスクリット語で「繋ぐ」「結びつける」という意味があります。つまり、バラバラなものを一つに繋ぎとめるということなのです。
実は私たち自身もバラバラな存在であるとヨガの古い文献である『ヨーガスートラ』は教えてくれています。
例えばダイエットのために食事をコントロールしようと思っても、心とは裏腹に食べ物の匂いを嗅いだり、イメージしたりすることで、つい食べ過ぎてしまうといった経験は誰にでもありますよね。
このようにバラバラである私たちの五感、カラダ、心そして魂を繋ぎ、それらが調和も持ってひとつとなったとき、私たちは本当の「幸せ」を手に入れることができるといわれています。
現在も多くの自己啓発本として「幸せ」に生きるためのハウツー本が出版されていますが、紀元前5〜3世紀頃に誕生した『ヨーガスートラ』は、このようなハウツー本のオリジナルともいえるでしょう。
『ヨーガスートラ』では、「幸せ」になるための8つのステップを教えてくれています(ヨガの八支則・アシュタンガヨガ)。
この8つのステップの中には日々の生き方、人との関わり方やセルフケアの方法が記されています。
また具体的な実践方法として、ポーズ(アーサナ)や呼吸法(プラーナヤーマ)、瞑想(ディヤーナ)などが語られています。
一般的にヨガだと認識されている「ポーズ」とは、ヨガの世界観を構成するほんの一握りの要素となります。
ヨガの目的は、生活や心身を整え、より健康で豊かに人間らしく、そして幸せに生きていくことを目的としているのです。
ヨガ哲学はもっと自由に、なりたい自分になるための知恵が詰まっている!
「ヨガ哲学」というと、難しいものに感じてしまい、自分とは関係ない世界のことに思えてしまいますよね。
あるいは、哲学という言葉が固い、難解なイメージを湧き立たせるかもしれません。「ヨガ哲学」というより、「ヨガのコンセプト」や「ヨガ的な考え方」といった方がより身近に思えるでしょうか?
実はヨガが伝えているメッセージは決して難しいものではなく、とてもシンプルかつ、私たちが日常生活をよりよく生きるためのたくさんのヒントが散りばめられているのです。
カラダを動かすヨガポーズや呼吸法、瞑想の実践を行うことで、多くのメリットを手に入れることができるのですが、その際に土台となるのが「ヨガ哲学」なのです。
これらの実践と共に「ヨガ的な考え方(ヨガ哲学)」を身につけることで、本当になりたい自分に近づけることが可能となるでしょう。
プロが推薦!「ヨガ哲学」を知りたい人にオススメの本
ヨガを通してなりたい自分になるためにもっとヨガを知りたくなったら、ぜひ『ヨーガスートラ』を手に取ってみてください。この本は、パタンジャリという賢者によって記された書物です。
「スートラ」とはサンスクリット語で「糸」を意味しており、この本は4章195節から構成され、ひとつひとつの節は短くて詩(=糸)のように表現されています。
とはいえ、最初は理解しづらいかもしれませんので、ヨガ哲学初心者の方にもわかりやすい解説本をここでご紹介します。
◎『やさしく学ぶYOGA哲学 ヨーガスートラ』 向田みお 著 2,200円+税
日本語訳が現代的でとてもわかりやすく、図解説明もあり入門書としておススメ
◎『図説ヨーガ・スートラ』 伊藤武 著 4,500円+税
イラストと共に解説してあり、深く学びたい方にもおススメ
ヨガ哲学をもっと知りたくなったらワークショップや講座に行こう!
普段皆さんが参加されているヨガレッスンの中にも、ヨガ哲学のエッセンスが隠れています。
ヨガインストラクターの方が話す内容や指導によく耳を傾けてみてください。そしてご紹介した書籍と共にさらにヨガの学びを深めて下さいね。
一方で、ヨガのメッセージは伝統的に先生から弟子へ一対一の口頭にて伝えられてきました。ヨガ哲学をもっと勉強したくなった方はぜひ、専門の講師が行うワークショップや講座に参加し、お話しを聞いてみてください。
きっとたくさんの学びや気付きがあり、ヨガ哲学がどうして「幸せになるための究極のツール」なのかをより理解することができるでしょう。
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※アイディエーション調べ:2023年6月