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心とカラダの巡りを整える 羅さんの未病予防ってなぁに?

皆さん、こんにちは。「羅さんの未病予防ってなぁに?」東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。

東洋医学の考え方をもとに、未病予防や体質改善について、さまざまな事例を交えてご紹介していきますね。

過剰な情緒の浮き沈みによる体質への影響 前編:その4

前回、東洋医学における体質を影響する3つの後天的要因のひとつ、東洋医学の視点から見る「体質改善」-その14- 過剰な情緒の浮き沈み【前編:その3】の中で、肝の疏泄機能や憤怒との関連性を紹介しました。

その続きとして、脾(ひ)の機能と心配性や悩みとの関連性を詳しく話します。

まず今回は、脾の機能をご紹介します。

脾は、生理解剖学の脾臓(ひぞう)と同じものではありません。

西洋の解剖学が日本に伝来した頃、人の胃袋の後ろにくっ付いている「Spleen」という器官をなんと翻訳すればいいかと悩んでいるとき、東洋医学の「肝・心・脾・肺・腎」という五臓の中の「脾」という言葉を借りて、やむを得ず、この器官を「脾臓」と翻訳したようです。

しかし、東洋医学でいう「肝・心・脾・肺・腎」などの臓腑(ぞうふ)は、肉体の器官を指すのではなく、様々な「機能」を意味します。

ですから、ここでいう「脾」は、脾臓、すい臓、小腸の一部の機能を含む一連の機能を指します。東洋医学を理解するうえで重要なので違いを覚えておいてくださいね。

では、カラダにある「脾」の様々な機能を語る前に、まず、一つ簡単な質問をさせてください。

「消」と「化」の違いってなんでしょうか?


「消化」という言葉があります。

以前、私が羅さんの未病予防ってなぁに?の連載で投稿した、「消化の役割について。「消」と「化」はどう違う?」でもご紹介したので、覚えている方もいるかもしれませんが、もう一度おさらいしますと。

「消」と「化」の違いは、文字通り

・「消」は消す、食べ物のものの元の姿を消す
・「化」は化ける、食物の栄養素を取り出し、別のものに変化させる

という違いがあります。

例えば、昨夜が食べた豚カツ(たんぱく質)が、今日になると、人の筋肉をつくる材料となり変化していることを考えると、豚肉にあるたんぱく質がアミノ酸に分解されるのは、「消」、そのアミノ酸を人の筋肉や骨に使えるタンパク質に合成するのは、「」です。

東洋医学では、この「消」の機能を担うのは「胃」というシステムで、一方、「化」の機能を担うのは「脾」というシステムです。

ですから、「脾」の働きが悪くなると、食べた栄養層はきちんと筋肉や骨に変えられず、脂肪など、あちこち蓄積されてしまいます。

このため、贅肉が溜まりやすく、太りやすくなります。

また、「脾」のもうひとつ重要な役割は、食べ物の中の水を清らかな水蒸気に変え、全身を潤す水分として利用することです。

しかし、「脾」の働きが悪くなると、この水を清らかな水蒸気に変える(「昇清」という)機能が低下してしまい、「湿、水、飲、痰」が体中に溜まり、体がむくみやすくなり、重たく感じます。

では、「脾」の働きがどうして悪くなるのか、その決め手は食生活にあります。

次回は、脾と食生活について詳しくお話します。

お楽しみに♪

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