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日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす

皆さん、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。

私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。

季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。

これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。

 穀雨(こくう):5月5日頃~5月21日頃
  • 季節
  • 喜び
  • カラダ心・小腸

~四時八節~

二十四節気の中、日照時間を代表するのは、夏至、冬至、春分、秋分の4つの節気です。
春夏秋冬の四季(四時)を代表するのは、立春、立夏、立秋、立冬です。
この八つの節気は、二十四節気の代表格ともいえます。

「立」とは、始まりの意味で、5月5日の立夏は、夏の始まりを告げ、端午の節句でもあります。

夏の気配が段々と濃くなってきます。

5日から20日の立夏には、3つの物候があります。

初候: 蛙始鳴(かえるがはじめて鳴く)
次候: 蚯蚓出(みみずが地上に這出る)
末候: 竹笋生(たけのこが生えてくる)

この節気には旬の食材として、竹の子の他に、イチゴや新にんじん、さくらんぼなどが美味しくいただけます。

また、端午の日にいただく、粽(チマキ)や柏餅などの行事食も楽しみめます。

~夏の気に対応する臓腑~

夏は、日照時間が長く、太陽エネルギーが強くなるため、地球上の水を水蒸気に変え、湿気や雨が多くなります。古代では、この夏の気の特徴を漢字一文字で「熱」と表します。

東洋医学にある「天人相応説」(自然界のしくみを作っている要素と、人体のしくみを作っている要素は基本的に同じ)によると、夏の気「熱」に対応するカラダの臓腑は心と小腸です。

心臓は24時間鼓動するため、車のエンジンと同じように大量の熱を作ります。

心臓で作られた熱は、横隔膜の上下運動により、経絡を通じ、絶えず腹部の小腸をはじめとする臓器に送られ、腹部の臓器がこの熱を使って様々な生理活動を行います。

たとえば、胃と小腸はこの熱を使って消化機能を担います。

ご飯を作るときに加熱することが必要不可欠であることは、誰もが知っている節理ですが、同じように、我々が日常で食べたものが、カラダの中で分解・消化・吸収される一連の活動にも大量の熱を必要とします。

小腸にある消化活動によって摂取した水分は、心臓の熱によって水蒸気になり、全身に巡らせます。地球上にある水の循環の原動力は太陽の熱です。また、カラダにある水分の循環の原動力は、心臓から小腸に送られる熱です。

そして、この熱の伝達に重要な役割を担っているのは、呼吸時の横隔膜の上下運動です。

~浅い呼吸とむくみ~

横隔膜の上下の動きが悪くなると、心臓の熱を腹部に送ることができず、熱が上半身に籠ってしまいます。いわゆる「上熱下寒」という東洋医学でよく言われる生理現象が起きます。

そのため、上半身に熱が多くなり、すぐにかっかっするのに、下半身は熱が足りず、冷えやすくなるのです。お腹が冷えると、水を加熱して水蒸気に変えることができず、液体状の水が増え、むくみが生じます。

むくみやすい人の共通点は、呼吸が浅いことです。

呼吸が浅く、横隔膜の上下の動きが小さい人は、熱が強くなるこの季節に入ると、ホットフラッシュ、いらいら、不眠、下痢や便秘、などなど、心臓と小腸の不調が起きやすくなります。

情報が盛りだくさんかもしれませんが、皆様に伝えたい内容の極一部に過ぎません。
消化不良に陥らないよう、割愛して今日はここまでとさせていただきます。

皆さんの未病予防と健康増進に役立てば幸いです。

次回は、二十四節気のひとつ、小満(しょうまん)についてお話いたします。

どうぞお楽しみに♪

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