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ストレスが高まって思わず現実逃避したくなり、目の前のことに真摯に向き合うことが難しくなることは誰にでもあること。

そんなときは、「ヨガ哲学」と呼ばれるヨガ的な考え方で上手に乗り越えてみませんか?ここではヨガの古典書から、現実と向き合うためのコンセプトを4つご紹介します。

本当のことを受け入れる勇気を持つこと(サティア)

ヨガの古典書『ヨーガスートラ』には、人生という旅を全うするための8つのステップ(取り組むべきこと)を提示してくれています(ヨガの八支則・アシュタンガヨガ)。

そして自分や他者に対して避けるべきこと(ヤマ=禁戒)として、この「サティア」を挙げています。サティアの訳は本来、「正直に嘘をつかないこと」という教えなのです。

しかし、「嘘も方便」ともいいますし、正直に全て包み隠さずに話すことが必ずしもベストとは限りません。

サティアの意味を大きくとらえると、目の前の現実を冷静に客観視し、受け入れるという見方もできます。

現実を受け入れるには勇気が必要です。その勇気を持って目の前の現実と向き合うことができたときに、自分の心は他者や世界に対して開かれた状態、本当の意味でのオープンマインドな状態でいることができます。

サティアを含むヤマとは、自分自身と世界とを繋いでくれるためのステップなのです。

外側も内側も清潔さを保つ(シャウチャ)

この考え方も前述の『ヨーガスートラ』が示す8つのステップから来ています。ヤマと対になる、積極的に行うべきこと(ニヤマ=勧戒)の中のひとつです。

「シャウチャ」は清潔、清浄と訳されます。つまり心と体を浄化することです。このステップには身の回りの清潔、清浄さも含まれます。

現実逃避したいと感じたら、それは目の前の課題に向き合えていないときです。そんなときはまず、自身の部屋を見渡してみましょう。心が乱れていると、それは自分の住環境に現れるからです。

部屋の掃除や洗濯をしながら体を動かすことで、徐々に心が晴れやかに変化していきます。そして整った部屋に、お好きな花を飾ってみてください。

豪華な花束でなくても、グラスに一輪の花を挿すだけで部屋の浄化に繋がります。

自分がいる環境が整うと、不思議と気持ちまで整理されていきます。そして、不健全な思考のパターンに気づき、それを手放すことができるきっかけとなります。

つまり、シャウチャなどのニヤマとは、自己浄化=心身の整理整頓のためのステップなのです。

行動と結果の法則を知る(カルマ)

因果の法則とも言われる「カルマ」という言葉は、日本人にも一般的かもしれません。しかし、カルマという言葉自体にはそんなにネガティブな要素はなく、単に行動と訳されます。

『バガヴァッドギータ』というインドの古典書には、行動(カルマ)がテーマとなっている章があります。

「人間とは自分のすべきこととすべきでないことを明確にし、自分がすべきことに専念する生き方を全うするように」との教えがあります。

そして行動するときには、「社会や周囲の人との調和が保たれていたかどうかが大切である」とも述べています。

もし目を反らしたいようなことが目の前で起きているとしたら、起こる前の行動(カルマ)は調和を持って行えていたかどうかを振り返る必要がありそうです。

自分勝手な行動や他者を傷つけるようなことがあったとしたら、それは望まない結果として目の前に差し出されるかもしれません。

あるいは望む結果であったとしても、そのことに強い執着を持つこと自体が不調和ということになるのです。調和が保たれた行動(カルマ)は、あなたの欲望や怒りを鎮めてくれます。

自分の使命を知る(ダルマ)

「ダルマ」というサンスクリット語の言葉には、義務という意味合いがあります。ここでは広く、生まれてきた目的やその人の今世における使命と解釈します。

人間には、生まれる前から決められた大枠での運命があり、この人生での目的や使命があらかじめ決められているのだとヨガの世界では考えられています。

このコンセプトも前述のカルマと同じく、『バガヴァッドギータ』の一番のテーマとなっています。

もし目の前の現実を受け入れることが難しいと心底感じるのであれば、今取り組んでいることはあなたの使命(ダルマ)ではないのかもしれません。

『バガヴァッドギータ』が示すヴィジョンによれば、人間にとってその使命(ダルマ)は周囲との調和を持って全うする生き方が尊い生き方であるのだといいます。

もしも、今取り組んでいることが好きなことであっても、受け入れられない現実として存在するのであれば、それは単なる執着かもしれません。

そして他に取り組むべきことがあるのだとしたら、方向転換して、今取り組んでいることを手放してみたほうが生きやすくなり、人生がより充実する可能性があります。

ヨガでは「自分の内側には直観が宿っている」といいます。その自分のピュアな部分は今回の人生の目的や使命を知っているのです。

自分の使命を折に触れて感じるためには、静かに目を閉じて自分の呼吸やカラダを感じる時間を習慣化することがおススメです。

毎日数分でいいので、ぜひ取り入れてみてください。きっと人生がいきいきと展開されていくことでしょう。

ふと、目の前で起きている出来事から目を背けたくなったときには、サティア・シャウチャ・カルマ・ダルマの4つの教えを思い出してみてください。現実と向き合おうとするあなたの心をそっと後押ししてくれるはずです。

そしてヨガ哲学は、決して難しいことを伝えているのではなく、私たちが日常をより丁寧に豊かに過ごしていくためのヒントを教えてくれています。

現代を生きる私たちにも役立つ考え方がいっぱい詰まっています。ぜひ触れてみてくださいね。

監修:Makoto
ヨガスクールFIRSTSHIP講師リーダー

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