日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす
皆さん、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。
季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。
これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。
雨水(うすい):2月18日頃~3月5日頃
- 季節春
- 心怒り
- カラダ肝・胆
~好き雨は時節を知り~
好雨知時節、 当春乃発生。
随風潜入夜、潤物細無声。
・・・・・・
小学生の時に覚えた唐の詩人杜甫の名編「春夜喜雨」は、「雨水」の気象を物語るピッタリの風物詩といえましょう。
「よい雨はその降るべき時節をちゃんと心得ていて、春の時節をはずすことなく今やその発生の営みを開始した。雨は風のまにまにしのびやかに夜の中にまぎれ込み、細やかに音もなく物を潤して降り注ぐ。・・・・・・」 (杜甫詩選 黒川洋一編 岩波文庫)
太陽黄経が330度のとき、春の2番目の節気 「雨水」が始まります。
~一年の計は春にあり~
五行の中で、春の気に対応するのは、木の気です。
木の気は、中から外に出る働き、四方八方に伸びる働き、生の働き、発の働きを表します。このため、春は新しいことを始めるには一番ふさわしい季節といえます。
農業文化が発達する東洋には、一年の計は春にありという諺があります。農作業の開始に春の天時が欠かせないだけではなく、多くの社会活動も木の気の働きに従い、行われます。
新学期、新年度、計画、企画などなど。
~気候の特徴~
雨水と穀雨、小雪、大雪と同じ、降水降雪を表します。雨水の時には、気温が段々と上がり、雪解けが加速し、降雨量も増えます。
2021年の干支は「辛丑」。
東洋医学の運気学によると、「辛丑」の歳の初之気は以下の通りです。
初之気(1月20日~3月20日) 主気: 厥陰風木 客気: 厥陰風木
※運気学の基礎知識や2021年の運気特徴及び病気傾向については、下記「運気学特別講座」をご参照ください。
つまり、今年の3月末までの気候特徴は、「風木」で、木の気が例年より強く、風も強いと考えられますので、桜の開花がかなり早くなると想定できるでしょう。
ニュース番組で、1月20日アメリカの大統領就任式の会場に埋められている20万本の旗の揺れ具合でみると、当日風がかなり強かったことがわかります。
~養生の注意点~
木の気が強い季節にカラダを束縛する動きをするのは、養生の観点からみると禁物です。
たとえば、キツイ服を着る、髪の毛を強く縛り付ける、筋肉を過度に緊張させる・・・・・・
これらの行為は、生・発・伸展・のびのびという木の気に反するので、気の病(病気)を引き起こす引き金になりかねません。
芽吹きの季節です。心やカラダを締め付けてしまったと感じたら、深呼吸でカラダを内側から伸ばしながら、カラダを伸ばすヨガポーズなどを行うとよいでしょう。
参照のポーズ:門のポーズ(パリガ―サナ)
~冬着をしまわず、春の衣替えを楽しむ~
また、東洋医学には、「風邪は百病の長」という定説があります。
雨水の時期は、気温が日に日に上がっていきますが、暖かいからといって冬衣を仕舞ってしまうのは、まだ早すぎます。
気温が上がったり、下がったりするのが、この時期の特徴ですので、気を緩めると、風邪をひきやすくなります。
油断せずに、防寒対策もしっかりして、春を迎えましょう。
いかがでしょうか。
情報が盛りだくさんかもしれませんが、皆さんに伝えたい内容の極一部に過ぎません。
消化不良に陥らないよう、割愛して今日はここまでとさせていただきます。
皆さんの未病予防と健康増進に役立てば幸いです。
次回は、二十四節気のひとつ、啓蟄(けいちつ)についてお話いたします。
どうぞお楽しみに♪
■東洋医学普及活動家・
羅予澤が技術監督■
経絡養生師による未病予防なら
専用サロン 未病のキセキ(気施技)