日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす
皆様、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。
季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。
これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。
小寒(しょうかん):1月5日頃~1月20日頃
- 季節冬
- 心驚き・恐怖
- カラダ腎・膀胱
~腎の働き~
1月5日から始まる小寒は、二十四節気の第23番で、旧暦12月の節です。小寒から大寒までの1ヶ月は、概ね1年の中で一番寒い時期です。
東洋医学の運気学によると、この季節の天地の気は、太陽寒水といいます。それに対応するカラダの臓腑は、腎と膀胱です。今回は、カラダにおける腎の働きについてお話いたします。
まず、腎は、腎は先天のエネルギーを貯めるシステムを司ります。
例えば、目に見える骨、歯、骨髄、脊髄、脳髄、睾丸、卵巣。
また、目に見えない丹田(お臍の下)、命門(お臍の裏)などは、腎に属します。
腎の気が弱い人の場合、骨がもろく、骨粗しょう症にかかりやすく、また、歯のトラブルも多く現れやすくなります。さらに、生殖能力が低く、記憶力が低下するなどの症状もあります。
そして、瞳の収縮機能、肛門や膣の収縮機能も腎の気の働きです。
また腎は膣の収縮機能を司るため、尿漏れや頻尿などの症状がある場合には、腎気が弱くなっていることが考えられます。
~腎虚と小心者~
喜怒哀楽などの情緒も気の働きによるもので、情緒の内、恐怖や不安という気持ちは、腎に関わります。
腎の気が弱い人は、バンジージャンプやジェットコースターが嫌いなタイプと言えるでしょう。
そして、お化け屋敷に入って恐怖で泣き崩してしまう人も腎気の弱い人です。
では、腎気の弱さと小心者はどう関係するのか?
また、腎気の弱い人はなぜ腰を抜かしやすいのか?
それは、腎の気が「志」(意志力)を司っているからです。
腎気が不足すると、意志力が弱くなり、寝起きが悪く、遅刻や早退を繰り返し、誘惑に負けやすい性格になります。
また、気が小さく、臆病者で、ちょっとしたことにも怖がったり、しりごみしたりします。
このタイプの人はバンジージャンプやジェットコースターが苦手で、お化け屋敷に入ると恐怖のあまり泣き出してしまい、中には、腰がぬけてしまったり、失禁してしまう人も少なくありません。
~腎虚と腰痛~
腎気の通り道である腎の経絡は、足の小指から、脚の内側の後ろを通り、生殖器を絡んで、腰(お臍の真後ろ)を潜り、喉や耳に達します。
腎気が弱いことで、足の内側が痛く、むくみ、不妊、腰痛、ギックリ腰、呼吸が浅い、耳鳴り、眩暈、聴力の低下、声が出なくなるなど、様々な症状が現れます。
ご自分で確認する場合は、内踝の下と後ろ、アキレス腱との間に沿って、足の内側の後ろ部分を親指で押してみてください。
痛いところが複数見つかると思います。
~腎の気を強くする方法~
■その1.腰を温める
腎の気の通り道である腎経は足小指から脚の内側の後ろを通り、生殖器を絡んで、腰(おへその真後ろ)を潜り、喉や耳に達します。
おへその真後ろにあたる腰の部分に、腎の気が出入りする重要なツボ、命門(第2腰椎下)と腎兪2つ(命門の横1.5寸)があります。
この3つのツボを普段から手のひらでマッサージをしたり、ホッカイロやお灸などで温めたりすることは、腎の気を強めることができます。
マッサージの方法は、まず両手の掌を合わせ、熱くなるまで摩擦し、その温かい手で、上下に腰を擦ります。1回の目安は2~3分でよいでしょう。
腰の冷え、腰痛持ち、不妊などの症状を持つ人におススメします。
1~2週間続けると、効果を実感できると思います。
■その2.足裏や足首を温める
足裏に湧泉、内踝の下と後ろに、照海、大鐘、太谿など腎経の重要なツボがあります。
普段から裸足で過ごすのを避け、足首までの足湯を毎日し、手の親指で、足裏と内踝の周りをよくマッサージします。
マッサージの場合、1回数分間、1日2~3回をおススメします。
足の冷え、むくみ、踵や足首の痛み、頻尿、尿漏れ、腰痛持ちなどの症状に悩まれている方はぜひ試してみてください。
早い人は、数日で効果を実感できるはずです。
■その3.歯を叩く
歯は骨のあつまりだと東洋医学で考えます。
骨は腎のシステムの一部で、歯を叩いて刺激を与えると、骨を強くし、腎気を強める効果があるといわれます。
歯が弱い人だけではなく、骨粗しょう症、健忘、痴呆などの症状がある場合には、毎日よく歯を叩くと、これらの不調の予防と改善効果が期待できます。
数週間続ける事により、驚くほどの効果が期待できます。快適な生活習慣への健康法のひとつとしてご活用ください。
次回は、二十四節気のひとつ、大寒(だいかん)についてお話いたします。
どうぞお楽しみに。
■東洋医学普及活動家・
羅予澤が技術監督■
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