日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす
皆さま、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。
季節の変化をうまくキャッチして、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。
これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にして、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。
寒露(かんろ):10月8日~10月23日頃
- 季節秋
- 心悲
- カラダ肺・大腸
旧暦では、季節は24に分かれる「二十四節気」が基本
中国には「一場秋雨一場寒」(秋は一雨ごとに寒くなる)といったことわざがあります。
台風10号が訪れた9月6日の翌日、9月7日は二十四節気の白露(はくろ)。その頃から気温がだんだんと下がり始め、1か月後の10月8日の寒露の頃には、秋模様がさらに深まり、地域によっては、冬の足音が徐々に聞こえてくるようになります。
「気候」という言葉は、東洋医学の経典「黄帝内経」に由来しますが、「候」とは5日間の自然エネルギーの変化を指し、三つの候、つまり15日間の自然エネルギーの変化が一つの「気」となります。
一年は二十四の「気」からなり、六つの「気」が一つの季節(春夏秋冬)となります。
この、春・夏・秋・冬の季節に分けた「気」を、さらに六つに分け、名前をつけたものが「二十四節気」です。
日常に馴染みのある 立春、春分、夏至、大暑、秋分、冬至、大寒など、現代でも我々の生活に密接な関係をもち、季節の節目を示す言葉として使われています。
陽化気、陰成形
秋季にあたる二十四節気は、以下の六つです。
立秋 8月7日~ 旧暦の6月後半~7月前半。秋の気配が感じられる頃
処暑 8月22日~ 夏の暑さが後退し始める頃
白露 9月7日~ 旧暦の8月前半。朝晩の冷え込みが深まる頃
秋分 9月22日~ 太陽黄経が180度になり、昼夜の長さが同じになる
寒露 10月8日~ 冷え込みがさらに進み、菊が咲く頃
霜降 10月23日~ 露が冷気によって霜となって降り始まり、紅葉が深まる頃
この季節の一番の特徴は「湿から燥」になること。
8月から9月にかけて、太陽エネルギーが弱くなるにつれ、空気中の水蒸気がだんだんと雨になり、台風や大雨が多くなります。
しかし、10月に入ると、空気中の湿気は少なくなり、まさに「秋高気爽」(しゅうこうきそう)となります。
「黄帝内経」には「陽化気、陰成形」(陽は気と化し、陰は形を成す)という陰陽の理論があります。
簡単に説明すると、
太陽エネルギーが強くなる(陽)⇒春夏には、水が水蒸気になり、
太陽エネルギーが弱くなる(陰)⇒秋冬には、水蒸気が水や氷などになる
という意味です。
二十四節気の白露、寒露、霜降、小雪、大雪の「気」の移り変わりは、正に太陽エネルギーがだんだんと弱くなる、この「陰成形」のプロセスを物語ります。
秋に山登りがおススメの理由
秋気には、「燥」と「涼」という二つの特徴があります。寒露の時には「涼」という特徴が一層強く表れます。
なので、気をつけないと、この季節は寒気がカラダに侵入しますので、寝る時に、布団から足を出すことは禁物です。
また、秋気の「燥」を調和するためには、梨や菊茶など、秋の食物を取るとよいでしょう。
そして、葱や生姜、紫蘇などの辛温の食材を多めにとることは、「涼」の気を調和するための食養生の原則です。
東洋医学によると、秋の気は五行の「金」。
上から下へ下がる働きですので、秋に対応する情緒は「悲」となります。なので、秋には気持ちが沈み、悲しくなって泣きたくなる人が増えるのです。
この上から下へ下がる秋の気に対応する運動は、山登りが適しているそうです。
山登りは、下から上への動きなので、秋の上から下への気を調和するには、効果的。
天気の良い日に、ぜひお試しあれ。
次回は、二十四節気のひとつ、霜降(そうこう)についてお話いたします。
どうぞお楽しみに。
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