この連載「ヨガと人と。」では、ヨガ講師・ヨガインストラクターである私、山下真由実がヨガと出会ったこと、また旅先やヨガを通して出会った人、ヨガ哲学の教えから学んだことなど、経験したことを皆さんにお話ししていきます。
前回のお話しは『【連載】「ヨガと人と。」 ~テントと台風と私と~』でした。
今回はバハマでのアシュラム生活の中で気づいたこと『洗濯機と洗濯物は一緒に回らない。その極意とは?』をお話しします。
共生共存。自然と共に生きるってこういうことか!
いつものようにアシュラムの調理場で働いていた時のことです。
オリーブオイルでサラダドレッシングを作っていたら、うっかり自分の服に大量のオイルをこぼしてしまいました。
仕事が終わった後に急いで洗濯に行ったところ、たくさんある洗濯機はすべて使用中でした。「じゃあ洗濯は明日でいいか」と持ち帰ったことが恐怖の始まりでした。
何かがいるような
一日を忙しく働いた夜。
明日の朝一番で洗濯をしようと、まとめた洗濯物をベッドの脇に置き、眠りにつきました。
その朝方のことです。
・・・
(・・・あれ?・・・)
・・・
(なんだかカラダの上に何かいるような…)
そう思ってカラダを払いますが、特に何かが触れるわけではありません。
まだ日の出には間がある薄暗いテントの中でカラダを見ても、特に何も見えないのですが、確実に皮膚に何かを感知します。
(何だろう?)
何度か払っていると、急にそれは全身に広がる痛みに変わりました。
「わーっ!」
寝ぼけ眼だったところから急に我に返りカラダをよく見ると、なんと全身にアリが集っています。
しかも払うという行為が攻撃と判断されたようで、アリたち全員が全力で私を噛んでいる状態でした。
いや、痛かったです。(涙)
痛めつけるとか、そんなつもりは全然なかったんですけどね。アリたちとのミスコミュニケーションを起こした私は、必死に日の出前の道を走り、海に飛び込むことになったのです。
海に入り、申し訳なかったですがアリがカラダから離れたところでやっと一息つくことができました。恐怖が治まりテントに帰ると、なぜそんな事態なったのかを理解しました。
服についたオリーブオイルに引きつけられたアリの大群が、アリの家から、ちょうどその動線上に寝ている私のカラダを横断する形で洗濯物へ移動していたのです。
アリたちは、ただご飯を食べに歩いていたら、何か(私)が襲ってきたので、自分と仲間を守るために一団となって戦っただけなのでした。
私がいなくなったベッドの上で、きれいに列を作ってベッドの脇にある洗濯物に向かって歩いているアリたち。そしてアリだらけになっている洗濯物を見た時に思ったのは、「洗濯物はその日のうちに必ず洗おう」ということと、「恐怖が起きたらいったん深呼吸して、まずは落ち着こう。」ということでした。笑
ひと呼吸おくことで、心が洗われる
アリの行動は本能的でしたが、私たちも日常でこのような本能的な反応をしてしまうことがあります。相手から言われたことや行動に、とっさに恐怖や怒りで反応してしまうわけですね。そういった反応をぶつけ合うほど、さらに怒りや食い違いを引き起こします。
そんな時はいったん深呼吸して落ち着いてから、どういった経緯でその言動になったのかを理解することに努めれば、自分の反応の波にのまれずに済むかもしれません。
私の瞑想の先生は洗濯機によく例えるのですが、心の反応にのまれている時は洗濯物と一緒にぐるぐると回っている状態。(感情的になり客観的に物事が見られない状態です。)
それが瞑想することで落ち着くと、その回っている洗濯物を外から眺める状態(自分がどんな感情や思考を持っているか、また状況はどうなのかを客観的に見ることができている状態)になるのですね。
だから瞑想は必要な心の筋トレなのだと。
本当にその通りだと思います。だから、まずは落ち着くこと。
落ち着くには感情ではなくて感覚に意識を置く練習が一番です。
呼吸の感覚を感じることはいつでもできます。
さあ、深く、深呼吸をしましょう!
落ち着いたら、きっと自分も周りも見えてきます。
そこからどう行動するかは、私たちが自由に選択して良いのです。
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