皆さん、こんにちは。「羅さんの未病予防ってなぁに?」東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
東洋医学の考え方をもとに、未病予防や体質改善について、さまざまな事例を交えてご紹介していきますね。
~ 経絡は隙間のネットワーク ~
前回、【東洋医学を学ぶシリーズ】経絡とは –その2-では、「経絡」の流れるカラダの空間とは、どこにあるのか?についてお伝えしました。
東洋医学の観点(経絡)でみると、私達のカラダは経絡のネットワークが体中に張り巡らされており、実は隙間だらけです。
臓器の中、臓器の間、骨の中、骨と筋肉の間、筋肉と筋肉の間、筋繊維の間、皮膚の表面や皮膚の下、隙間がたくさんあります。
これらの隙間(空間)は、気血水の通る道で、いろんな生体活動が行われます。
この隙間の空間が変形したり、歪んで狭くなると、そこを流れるエネルギーなどの流れが悪くなります。
これにより現象として起きるのが「痛み」です。
経絡を高速道路に例え、痛みの現象を解釈してみましょう。
例えば、3車線あった道路に事故が起きたために1車線しか使えなくなったとしたら、当然、渋滞が起きます。
これはカラダの中も同じです。
何らかの原因、例えば冷えなどの症状が起きたことによりカラダの中の隙間の空間である経絡が縮まり、狭くなると気が溜まります。
そして気が溜まった箇所が膨張して気圧が高くなり、一定の閾値(しきいち)を超えると神経に触れて痛みを感じるのが、「痛み」のメカニズムです。
~ 痛みの原理と種類 ~
冷えるとカラダは縮みます。
縮むことで隙間の空間が狭くなり、変形して、気がそこに溜まります。
そして気が溜まった箇所が徐々に膨張し、気圧が高くなり、一定の閾値(しきいち)を超え、周りの神経に触れることにより痛みを感じます。
頭痛・生理痛・腰痛など、動かなくても感じる痛みはこのパターンです。
もう1つの痛みは、動くと痛みを感じる・触ると痛みを感じる・押されると痛みを感じるパターンです。
これは隙間の空間が狭くなったり、変形する事により、まだ限界を超えない程度、周りの神経に触れない程度に気が詰まっている状態です。
動いたり、押された事により隙間の空間が変形し、それにより中の気圧が高まって周りの神経に触れて痛みを感じている状態です。
もう1つ、押されると痛気持ちいいパターンがあります。
これは、詰まっている場所の先は気が足りず、後ろは気が詰まってしまっている状態です。押されたり揉まれたりなど、外部からの圧力により気が動きます。
これにより、これまで気が足りなかったところに気が動くようになり、不足していたものが満ち、気持ちいいと感じるのです。
このように、カラダの中の隙間の空間のつまりや、経絡上の滞りは、様々な形で痛みとして現れます。どの痛みも、気の詰まった箇所を教えてくれるサインなのです。
『チャンと治してくださいね…』というサインを送っているのです。
病気は、文字通り 「気の病」ですので、カラダのあちこちに気が詰まっていることにより本来の機能が出来なくなっています。
例えば、食べ物が胃の中へ入ると、胃は激しく動き始めます。
当然、胃を動かすためにはエネルギーが必要です。にも関わらず、胃の周りの経絡が詰まってる状態では胃が充分に動く事が来ません。
そのために、膨満感・むかつき・痛みなどの症状が出るのです。
~ マッサージについて ~
なので、この詰まっている現象(隙間の空間の変形、狭窄(きょうさく))に、マッサージの強い圧を加える事は好ましいことではありません。
既に詰まっている場所に強い圧をかけることによって、癒着の現象を招きます。
この他にマッサージの後の揉み返しといった現象があります。
この現象は、エネルギーの流れに逆ったり、強く押すことによるものです。既にエネルギーの滞りがあり、隙間の空間が狭くなっている箇所に上から圧を加えることは、更にその空間を狭めることとなります。
場合によっては癒着を引き起こし、更なる気の滞りを招いてしまいます。
例えば、ろうそくの火を消す方法にはいくつかの方法があります。
コップの水をばっしゃ!とかける人もいれば、はさみでろうそくの先端を切る人、フッと息を吹きかける人もいるでしょう。どの方法も火を消す事ができるでしょうが、通常は、わざわざ余計な力を使ったりはしないはずです。
ろうそくに向かって、フッと息を吹きかけるだけで十分なはずです。
カラダの中の気を動かす時も同じです。
マッサージの目的は気を動かすことです。詰まっている気を動かすのに力は不要。東洋医学の考え方では、力任せに気を動かすのでなく、経絡の流れを整えることの方がカラダに負担をかけず、重要と考えます。
次回は、筋肉痛についてお話しします。
皆様の未病予防と健康増進に役立てば幸いです。
次回もどうぞお楽しみに♪
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