この連載「ヨガと人と。」では、ヨガ講師・ヨガインストラクターである私、山下真由実がヨガと出会ったこと、また旅先やヨガを通して出会った人、ヨガ哲学の教えから学んだことなど、経験したことを皆さんにお話ししていきます。
前回のお話しは『【連載】「ヨガと人と。」 ~疎外感を感じた私に、スワミジが出した答えとは?~』でした。
今回は『テントと台風と私と』をお話しします。
自由自在に、好きな場所へ
アシュラムでスタッフとして働くようになった時、まず困ったのはテントがないことでした。
生徒としてRYT200を学んだ時には4人部屋でしたが、卒業してカルマヨギーとして働くスタッフは各自テントで生活をすることになっていたのです。
(ちなみに、スワミジになるとちゃんと屋根のある独立した部屋に住むことができます。笑)
どうしたものかと思っていたら、帰国する友人が、なんと自分の住んでいるテントをくれるとのこと。
聞けばその友人も同じように、他の人からそのテントを受け継いだそうでした。いったいどれくらい前からあるテントなのかは分かりませんでしたが、これぞ渡りに船。喜んでそのテントをもらうことにしました。
テントのいいところは自分の好きな場所に置けることです。
以前あった場所から、強く吹き付ける海風をしのぐことができる、静かな立地へ引っ越しをしました。またいつでもお気に入りの場所が見つかれば移動できる気軽さが新鮮で、嬉しかったのを覚えています。
耐震ゼロのテント暮らし。え?台風が来た!
しばらくは何事もなく毎日を過ごしていましたが、ある時大型台風がバハマに上陸しました。
この時初めて、ロンドンで飛ばされない家に住んでいることがどれだけありがたいことか、身をもって体験しました。空には何本もの稲妻が走り、凄まじい風雨でテントが揺れに揺れ、水はテントの四隅から川のように入っては流れていきます。
幸い空気の入ったベッドがありましたから、その上にすべての荷物を非難させることができましたが、私はその荷物の隣に丸くなるのが精いっぱい。
今晩はまったく寝られないかもしれないと思っていると、上から水が滴ってきました。
「!!」
あの時の衝撃はなかなかのものでした。
もらい受けたテントはだいぶ古かったのでしょう。天井に穴が開いていたのです。雨が降るまで全く気がつきませんでした。ポタポタ滴っていた雨水はやがてボタボタという音に変わり、テントの中を濡らしていきました。
下からだけでなく上からも水浸しになる事実を見た時、なんだか不思議と冷静になりました。
どうにもならないことをどうにかしようとすると苦しくなりますね。
どうにもならない時には、ならないのです。笑
本がとりあえず濡れなければいいと、ビニールの中にしっかりくるんだ後、私は濡れながら寝たのでした。
天の恵み!見方を変えれば雨も天然水!?
翌朝はだいぶ雨も収まりましたが、止んではいませんでした。すっかり濡れた状態でテントから這い出し、周りを見ると色々なものが壊れてめちゃくちゃになっていました。
吹き飛んで壊れた箇所の修復と、飛んできたさまざまなものの片づけは、なかなか大変でした。
周りを見回していると友人の一人がやってきました。その友人のテントも大変だったそうで、心配して見に来てくれたのです。
私は「今まで気がつかなかったけどテントに穴が開いていて、上からも雨水が降ってきたんだよ。」と、その友人に未だ続く雨漏りを見せました。
すると友人は「へえ!これは天然のウォーターサーバーだね!」と言うと、テントから滴る水を口で受けて飲んだのです。
「水飲み場に汲みにいかなくても水が飲めるなんて最高だ!」と笑うので、私もつられて楽しくなりました。そうか、そういう捉え方もできるんだな、とワクワクしたのです。
第2章33節
プラティパクシャバーヴァナン:物事を別の視点から見ること出典元:ヨーガ・スートラ
すべては捉え方次第だと、そう思います。
自分の物事の捉え方で幸せにも不幸せにもなるのなら、たくさんの自由な視点を持っていきたいですよね。
もし、一つの見方に囚われているのなら、いつも同じパターンで不幸に思ったりツラく感じるなら…一旦離れて別の視点を探ってみませんか。
もしかしたら、そこからまた別の可能性が見えてくるかもしれません。
それは、とてもワクワクすることだと思うのです。
【PR】『ヨガ哲学の世界』連載中のインストラクターからヨガを学ぼう!
▼体験レッスン・オンライン説明会受付中
ヨガスクール FIRSTSHIP
植物由来・無添加・
オーガニック生活をはじめるなら
ヨガする人のための Yoganic Life ヨーガニックライフ