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日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす

皆さん、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。

私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。

季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。

これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。

 秋分(しゅうぶん):9月23日頃~10月9日頃
  • 季節
  • 悲しみ
  • カラダ肺・大腸

~今年の紅葉時期は早い!?~

9月23日頃の秋分から、辛丑年の五之気に入ります。

一年の六気は、風・熱・暑・湿・燥・寒の順番となります。

初之気(風) 1/20:大寒~3/21:春分
二之気(熱) 3/21:春分~5/21:小満 
三之気(暑) 5/21:小満~7/23:大暑
四之気(湿) 7/23:大暑~9/23:秋分
五之気(燥) 9/23:秋分~11/23:小雪
終之気(寒) 11/23:小雪~9/23:大寒

今年(2021年)の五之気の主気と客気とも陽明燥金で、秋の気候は例年より涼しく、乾燥しやすいと考えられます。

※主気: 日地関係による六気の変化  客気: 月地関係や五大惑星による六気の変化

そのため、紅葉の時期は例年より早く訪れるかもしれません。

また、乾燥により、空咳や皮膚のトラブルで悩む人が増える可能性が大きいです。
特に陰虚体質の方にとっては苦しい時期になるかもしれません。

~陰虚体質の成因

前回の「【旧暦通信】カラダの渇きが現れる?白露(はくろ) 9/7~9/22頃の過ごし方」では、陰虚体質の特徴をお話させていただきました。

今回は、陰虚体質の成因についてお話します。

カラダの陰である水分(津液、血液)は、陽であるエネルギーによって温められ、水蒸気に変えられ、細胞の中に入り、カラダを潤します。

そして、陽であるエネルギーによって運搬されて、体内で循環し、全身に酸素と栄養素を送り、老廃物を回収し、排出します。

体内の陰が足りなくなる理由には、水が絶対的に少ないケースと、水の量は足りているが、有効利用されず、相対的に足りないケースに分けられます。

例えば、皆さんはお湯を沸かした経験がありますね。

水が沸いてからも、火をつけっぱなしにしていると、水がなくなり、空焚きの状態になってしまいます。

カラダの中の熱エネルギー(陽)が常に多い状態であったとしたら、陰は絶えず消費され、体中が空焚きに近い状態に陥り、これが陰虚体質の一因になるのは言うまでもありません。

例えば、夜遅くまでお酒を飲んだ次の朝、喉がカラカラに渇くことがありますね。

これは、アルコールを分解するため、大量の水を必要とするからです。

つまり、体内に熱邪(アルコール)がたくさん溜まることにより、大量の水を消費するため、水の絶対量が足りなくなります。

お酒、辛い物(例、唐辛子)、揚げ物(例:から揚げ)、焼き物(例:焼肉、焼き鳥)など偏った食生活や喫煙などを長期に続けると、カラダの中に、熱邪、燥邪が溜りすぎるため、陰液が消耗されやすく、陰虚体質になるリスクがグンと高くなります。

一方、陽である熱は絶えずカラダの中を巡っています。

もし、どこかに詰まりがあり、陽の巡りが滞ると、熱が一箇所にこもり、周りの陰液を消耗し、部分的な空焚きの現象を引き起します。

そして、滞りがあると、熱のめぐりが悪くなるだけではなく、陰のめぐり(水の循環)も悪くなり、相対的な水不足に陥います。

例えば、過度に緊張した場合、喉が渇き、唾液が少なくなり、口の中がカラカラなのに、逆にオシッコが近くなった経験を持つ方も恐らく少なくないはずです。

緊張すると、交感神経が優位になり、全身の毛細血管が収縮し、体液循環が悪くなり、唾液が出なくなります。

同時に、腎と膀胱の過度な緊張により、オシッコが近くなったり、尿漏れが起こってしまいます。

これまで何度かお話した通り、体内の水は、陽の気化作用により、水蒸気に変えられ、全身の細胞に入り、カラダを潤します。

体内循環の仕組み、冷えやむくみの原因になる仕組みは、連載「羅さんの未病予防ってなぁに?」でもご紹介していますので、合わせてお読みください。

腕時計がパンパン、靴下の線が消えない!夕方にむくみがひどくなる?

陽の量が足りなく、陽の巡りが悪く、気化作用がきちんと働かない場合、液体状の冷たいままの水がカラダ中に溜り、有効利用されず、冷えやむくみの原因となり、カラダがいわゆる水毒の状態に陥ります。

喉が渇くが、水を飲んでも解消されず、飲んだあと、すぐトイレにいく人はこのタイプです。

そのため、陽が多すぎることも、また陽の巡りが悪くなることも、さらに陽が少なくなることも、陰虚を引き起すこととなります。

陰と陽のバランスを取れている状態、陰陽の調和こそ大事です。

また、夜更かし、過度な房事も陰液を過度に消耗するため、陰虚体質を招きますので、控えることをおススメします。

いかがでしょうか。

情報が盛りたくさんかもしれませんが、皆様に伝えたい内容の極一部に過ぎません。
消化不良に陥らないよう、割愛して今日はここまでとさせていただきます。

また早いもので、この「旧暦通信」の連載を始めて1年が経ちました。つまり二十四節気が一巡いたしました。

この「旧暦通信」の連載は、今回の秋分をもって終了となります。皆さん、お読みいただき、ありがとうございました。

「旧暦通信」を読んで、少しでも季節の移り変わりや、その季節を快適に過ごすのにお役立てできていたら幸いです。

「旧暦通信」の連載は終わっても、季節はまた巡ってきます。

そこで次回からは、季節の移り変わりも含めて、より具体的にカラダの健康へ意識を向けた情報をお届けする「健康への気づき」を連載させていただきます。

「旧暦通信」はもちろん、「健康への気づき」も、皆様の未病予防と健康増進に役立てば幸いです。

どうぞお楽しみに♪

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