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日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす

皆さん、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。

私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。

季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。

これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。

 白露(はくろ):9月7日頃~9月22日頃
  • 季節
  • 悲しみ
  • カラダ肺・大腸

~秋露は毒薬~

「露従今夜白、月是故郷明。」
(今夜は白露の時節になる、この月光は故郷と同じような明るさでさえているだろう。)

これは、唐の時代の詩人杜甫の「月夜憶舎弟」で描写する「白露」の名詩です。

9月7日から二十四節気の15番目、秋の3番目の節気「白露」が始まります。
処暑の15日後の白露は、暑熱の終わりを告げ、この日から秋本番を迎えます。

漢方には、春露は養命薬、秋露は毒薬という言い伝えがあります。

「白」の「白」は五行の中の金の色です。

秋は粛殺の金の気が強くなり、夜の冷えこみにより空気中の水蒸気が露になります。この露の中に粛殺の金の寒気が凝縮されているため、昔からこの露がついている牧草を食べると、家畜が病気になるといわれています。

これが「秋露は毒薬」の謂れです。

人も同じく、秋の早朝活動する時に、露がたくさん触れてしまうと、寒邪がカラダに侵入します。なるべく芝生の中での運動を避けた方が賢明です。

~陰虚体質が要注意

秋、日照時間がだんだんと短くなるにつれ、気温が下がり、空気中の水蒸気が急減し、気候の特徴は「燥」になります。

陰虚体質の人にとって、不調が多発しやすい季節です。

「陽虚」が、カラダを温める熱エネルギー(陽)が足りないのに対して、「陰虚」は、カラダを潤す津液や血液(陰液)が不足することを意味します。

津液とは、体内の正常な水液の総称で、津は血脈の外を流れて全身に散布され、肌肉を潤し、皮膚に栄養を補給します。

例: 汗、涙、唾液、涎、鼻水など。

液は、血液とともに血脈中に入り、全身を周流し、筋骨に注いでこれを潤し、関節に注いで、その屈伸を容易にします。また骨腔や脳腔に滲み出して脳髄を補充し、栄養を与えます。

簡単にいうと、普段、外に出てくるのは「津」、外に出ないのは「液」です。

津液は、飲食物の中にある栄養物質が気化作用を受けて血液に転化したり、内臓の働きによって汗、涙、涎、唾、鼻水などに転化して、カラダを外邪から防御します。

これについて分かりにくいかもしれませんので、もう少し詳しく解釈しておきます。

我々が摂った飲食物の中の水分は、陽(エネルギー)の気化作用によって、冷たい液体を水蒸気のような水に変えていきます。

この水蒸気のような水が全身隅々の細胞の中に入り、カラダを潤してくれます。

水分を加熱し、水蒸気に変え、その水蒸気で体全体を潤すこの働きは、私が連載する「心とカラダの巡りを整える、羅さんの未病予防ってなぁに?」の記事の中でも紹介していますので合わせてお読みください。

消化の役割について。「消」と「化」はどう違う?

しかし、この気化作用が低下し、冷たい液体の水を気体の暖かい水蒸気に変える力が弱くなると、水を飲んでも、ほとんど利用されず、そのまま尿や汗として排泄されてしまいます。

この場合、摂った水がカラダの中で再利用されないため、こんな症状が出やすくなります。

● いつも喉が渇く、飲んでも飲んでも渇きが取れない
● 小便の回数が多い、飲んだあとにすぐトイレにいく
● 皮膚がカサカサ、乾燥しやすい
● アトピー性皮膚炎になりやすい
● 手足の掌が火照る
● 上半身ばっかり熱く、下半身が冷えたまま
● イライラしやすく、怒りっぽい
● 舌の色が赤く、目や口、鼻の中が渇きやすい

漢方では、このような体質を「陰虚」といいます。

どうして「陰虚体質」になってしまうのか?その成因については、次回に詳しくお話しますね。

いかがでしょうか。

情報が盛りたくさんかもしれませんが、皆様に伝えたい内容の極一部に過ぎません。
消化不良に陥らないよう、割愛して今日はここまでとさせていただきます。

皆様の未病予防と健康増進に役立てば幸いです。

次回は、二十四節気のひとつ、秋分(しゅうぶん)についてお話いたします。

どうぞお楽しみに♪

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