日本の気候風土にあった「旧暦」と暮らす
皆さん、お元気さまです。東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
私が日々勉強している東洋医学の観点では、心とカラダに影響を及ぼす一つの要素として「季節の変化」があります。
季節の変化をうまくキャッチし、理解することでより快適に日々を過ごすことができると言われています。
これから皆さんに、日本の気候風土に合った太陰太陽暦から生まれた「旧暦」を基にし、その季節の特徴、心とカラダの変化や対処法をお伝えしていきます。
春分(しゅんぶん):3月21日頃~4月5日頃
- 季節春
- 心怒り
- カラダ肝・胆
~今年の春分は熱い~
3月21日は、二十四節気の春分。
太陽黄経が0度になるこの日に、昼と夜の長さが同じになります。
日照時間は、春分からどんどん長くなるため、この日は陰と陽の入れ替わりの日とも言われます。(陰陽交替)
東洋医学の運気学によると、二十四節気のうち、大寒、立春、雨水、啓蟄は、風、熱、暑、湿、燥、寒という天の六気の風(厥陰風木)に属し、春分、清明、穀雨、立夏は熱(少陰君火)に支配されます。
よって、これからの天気はだんだん暖かくなります。そして、2021年の春分以降の天気は例年よりさらに熱くなる見込みです。
天の六気には、主気と客気があります。
主気は、四季(春夏秋冬)とともに風、熱、暑、湿、燥、寒の順番で、毎年変わりませんが、
客気は、その年の干支によって毎年異なります。
2021年の干支は、辛丑。
客気の順番は、風、熱、湿、暑、燥、寒
初の気(1月20日~3月20日) ― 主気 厥陰風木 客気 厥陰風木
二の気(3月21日~5月20日) ― 主気 少陰君火 客気 少陰君火
三の気(5月21日~7月22日) ― 主気 少陽相火 客気 太陰湿土
四の気(7月23日~9月22日) ― 主気 太陰湿土 客気 少陽相火
五の気(9月23日~11月21日) ― 主気 陽明燥金 客気 陽明燥金
終の気(11月21日~1月20日) ― 主気 太陽寒水 客気 太陽寒水
つまり、春分の日から2か月間、主気客気とも少陰君火となります。
暖かい少陰君火(熱)がダブルでこの時期を支配するため、例年より熱い天候が続く見込みです。
同じ理由で、1月20日~3月20日の2か月間、主気客気とも厥陰風木で、風木の気が例年より強いため、1951年の観測史上以来の一番早い春一番が訪れ、花粉時期の開始も平年より10日間早かったのです。
~体質を変えたいなら、今がチャンス~
主気と客気ともに少陰君火で、熱の気が例年より強いため、冷え性の方にとっては、体質改善に一番適している時期とも言えます。
五行の火に対応するカラダの臓腑は、心と小腸です。なので、熱の気が強いこの時期には、熱病が流行りやすくなり、また、心脳血管の病気や小腸の疾患が多発するでしょう。
また、火剋金という五行の生剋関係によると、火の気が過度に強くなるため、金の気に対応する臓腑(肺と大腸)の疾患が発症しやすくなります。
よって、東洋医学の観点からみると肺炎や、下痢便秘などの症状を感じる方が、4月後半、5月頃になると増える傾向にあるかもしれません。
~養生に役立つツボ~
過度な火の気からのマイナスの影響を避けるため、心経の「神門(しんもん)」と小腸経の「小海(しょうかい)」を日常的に刺激すると良いでしょう。
「神門(しんもん)」は、心経の原穴&子穴で、五行の属性は「土」です。
小指側の手首の内側に位置します。
「小海(しょうかい)」は、小腸経の合穴&子穴で、五行の属性は「土」です。
肘の外後側に位置します。
心経と小腸経の五行の属性は「火」であるため、火生土という五行の生剋関係により、五行の属性が「土」であるこの二つの経穴には、火の気を弱くする役割があります。
◆ツボの刺激方法
指で刺激する場合
1箇所(両腕)に108回(9回×12セット)を軽く押します。
1日の目安は1~3回。
左右の上記2ツボを順番に刺激すると、大体1分ぐらいで終わります。
仕事の合間や休憩時間など、こまめに継続的に刺激してみてください。
皆さんの未病予防と健康増進に役立てば幸いです。
次回は、二十四節気のひとつ、清明(せいめい)についてお話いたします。
どうぞお楽しみに♪
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