皆さん、こんにちは。「羅さんの未病予防ってなぁに?」東洋医学普及活動家の羅予澤(らよたく)です。
東洋医学の考え方をもとに、未病予防や体質改善について、さまざまな事例を交えてご紹介していきますね。
~ 過剰な情緒の浮き沈みによる体質への影響 後編:その2~
前回の「東洋医学の視点から見る「体質改善」-その20- 過剰な情緒の浮き沈み【後編:その1】」では、情緒をコントロールすることによって、五臓の気を調和することについて話しました。
また、「泣くのも時には良薬」を具体例として紹介しました。
今回も、情緒をうまく利用して、病気を治す事例を紹介します。
怒ることには訳がある
世の中、うつ病で悩んでいる人が少なくありません。
やる気が出ず、人との交流が面倒、思い込みが激しく、食欲不振など、人によって症状が様々ですが、 東洋医学の観点によると、土の気が病んでいる可能性が高いと考えられます。
五行の中の土の気が病んでしまうと、不安、心配、思い込み、悩みなどの情緒が強くなります。
また、消化機能を担う臓腑の胃と脾は、土の気に属すため、土の気が病むと、食欲不振、消化不良、下痢や便秘などの身体的不調も出やすいのです。
土の気が強く病んでいる人に対して、わざと怒るようなことをすることで、やる気が出て、不安や心配で悩む状態から解放されるケースがあります。
この現象は、五行の生剋関係と情緒との関連性で上手く説明できます。
■五臓と情緒の関係性
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
情緒 | 怒り | 喜び | 悩み | 悲しみ | 恐怖 |
また、五行の気と相互に影響する「生剋関係」があります。
■生剋関係
生の関係(助長する) | 木生火 | 火生土 | 土生金 | 金生水 | 水生木 |
剋の関係(抑制する) | 木剋土 | 土剋水 | 水剋火 | 火剋金 | 金剋木 |
ここで使うのは、木剋土です。
五行の中の「木」の気は、中から外に出る、のびのびする動きです。
情緒でいうと、怒りです。
中から外へ爆発するという怒りの働きを利用し、淀んでしまった気分を一気に吹っ飛ばす効果が期待できます。
大きい声で叫ぶ方法も、中から外へ発散させる木の気が強く働くので、怒りと同様の効果が得られます。
野外で叫んだり、カラオケルームで歌ったりすることが、うつの改善に役立つかもしれません。
皆様の未病予防と健康増進に役立てば幸いです。
次回もどうぞお楽しみに♪
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